人生100年時代、とよく耳にします。
2023年の統計によると、男性が81.09歳、女性が87.14歳と世界に冠たる長寿社会・ニッポンは誇るべきことです。
ただ、せっかく長生きするのなら、なるたけ自立的に生活できる健康寿命を長くしたいもの。そして、さらに言えば、元気に動ける「活躍寿命」を伸ばしていきたいものです。
そのためには、無理のない範囲で身体を動かす健康体操やスポーツだけでなく、栄養バランスを考えた食生活、日常生活の中で良い姿勢を保つこと、しっかり睡眠を取ること、ストレスを溜め込まないこと、などなど、健康分野で最新学習歴を更新し続けることが大切です。
ところが、よく聞こえてくるのが「もう歳だから」という声。年齢を何かをしない言い訳にする人が少なくありません。
だいたい、人生100年という長さが、いまいちピンとこない、という方もいらっしゃるはず。そこで私のおすすめは、人生100年を1日24時間に換算してみる、という方法です。 現在50歳の方が、ちょうどお昼の12時。それよりも若い方は「まだ午前中」ということになります。私は今年65歳ですが、午後3時36分、おやつを食べたばかりのところですね。
政府は、75歳以上を「後期高齢者」と区分しますが、まだ午後6時ですから、残業する人もいれば、これから盛り場に出て盛り上がる人もいるでしょう。吉永小百合さんは今年79歳ですが、決して「おばあさん」ではありませんね。郷ひろみさんも来年、古希を迎えられます。
「昭和の年齢感覚」を払拭することが大切なのです。
1970年に大阪で万国博覧会が開催されたのをご記憶の方もいらっしゃるはず。「こんにちは~♫」」と歌っていた三波春夫さんはすでに歌謡界の大御所でしたが、当時48歳です。現在の草彅剛さんよりも若かったのです。
逆に、多くの日本人が25歳までに「最終学歴」を終えているのが現状
です。これは朝の6時ということ。食事と学習はきわめて近い関係にあ
るので、これを例えて言うならば、夜明け前に朝ご飯を食べた後、ラン
チもおやつも食べず、夕食も夜食もとらないとしたら、お腹が空いて動
けなくなるのではないでしょうか?1日3食を食べるように、人生100年
を通じて、身体と頭と心に栄養を補給するのが健康な生き方だと考えま
す。
スポーツも若者のものと決めつける必要はありません。シニアが取り
組めるスポーツも数多くありますし、毎年のように新しい競技が開発さ
れています。まだあなたの知らないところで、ジャストフィットの種目
が生まれているかも知れません。そうしたトレンドに感度の高いアンテ
ナを立てて、長く楽しめる活動を見つけていくのも、人生を豊かにする
ポイントです。 さて、あなたは今、何時?
【参考】年齢・時刻換算表 2
0歳 4:48 25歳 6:00
30歳 7:12 35歳 8:24
40歳 9:36 45歳 10:48
50歳 12:00 55歳 13:12
60歳 14:24 65歳 15:36
70歳 16:48 75歳 18:00
80歳 19:12
本間正人氏 プロフィール
「教育学」を超える「学習学」の提唱者。NHK教育テレビでビジネス英語の講師などを歴任し、「研修講師塾」「調和塾」を主宰。誰もが最新学習歴を更新し続ける「学習する地球社会のビジョン」構築を目指す。
現在、京都芸術大学客員教授、らーのろじー(株)代表取締役、NPO学習学協会代表理事、一般社団法人クロスオーバーキャリア代表理事、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、NPOハロードリーム実行委員会理事などをつとめる。
東京大学文学部社会学科卒、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。
コーチングやほめ言葉、英語学習法、などの著書80冊。最新刊は「100年学習時代」(BOW BOOKS)