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2019.2.10
メールマガジンコラム

vol5.第2回(全3回)健康経営に取り組む意義 ~健康経営で一番大切な、経営者のやる気~

vol5.第2回(全3回)健康経営に取り組む意義 ~健康経営で一番大切な、経営者のやる気~

従業員の健康が、企業の将来にとって大変重要であることを認識した経営者には、健康経営を推進していただきたいと思います。とはいっても、従業員が健康になるためには、従業員自身が健康的な行動を取る必要があるため、とても難しく感じてしまう方も少なくありません。人の健康は、周囲の環境に大きく左右されるため、企業できることはそのような環境づくりです。それなら、経営者の権限できるのではないでしょうか。

健康経営では、まず従業員の健康の重要性を認識して、健康づくりに積極的に取組むことを明示した健康方針や宣言を出していただくことから始まります。そのような宣言を出したのですから、時に触れて健康の重要性を説いていただきたですし、経営者ご本人にも自らの健康管理を従業員の見える形で行っていただきたいと思います。また、取締役会のような経営会議でも、企業の重要な資源である人材の健全性について話し合ってください。

あとは、PDCAを廻しながら健康プログラムを提供していただければ結構です。とはいっても、無数の健康プログラムがありますので、何が自社の課題にあっているかを考えながら実施していかなければなりません。一般的に、健康管理プログラムは、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチに分かれます。ハイリスクアプローチとは、病気になる可能性が高い対象を絞って、そこに働きかける取組みであり、日本では法令で一般健康診断やストレスチェックなどが行われています。一方、ポピュレーションアプローチとは、健康度に関わらず集団前提に働きかけて、集団の健全性を高める取組みです。皆で運動をしたり、より働きやすい職場環境の改善を図るような取組みがあります。どのような職場でも、まずはハイリスクアプローチが確実にできているかは確認してください。

一般健康診断の結果、治療や精密検査が必要であると指摘されているにもかかわらず、放置されていても、誰も何も言わないような状況はありませんか。一般健康診断が従業員にとっても法的に義務となっている背景には、従業員自身が「働けるだけ十分健康である」ことを示すことを求めているのです。少なくとも全員が健康診断を受け、必要があれば治療や精密検査を受けている状態を確実にした上で、それぞれの会社や職場で課題と思われることに対する対策を実施すればいいのでしょう。大きな企業であれば課題を抽出するためにデータ分析が必要ですが、小さな企業の場合には経営者や担当者が感じている課題そのものへの対策で十分だと思います。若い人が朝ごはんを食べない、運動不足の人が多い、喫煙者が多いなどです。その対策として、職場できる何かを行ってください。たとえば、早朝出勤者にパンやフルーツを用意する、始業時や昼休みに皆で体操する、敷地内禁煙するなどです。最初の取組みがうまくいった会社は、次々にプログラムが展開されていますので、まずは始めることが大切です。

・産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室 教授
・日本産業衛生学会 副理事長
・日本労働衛生安全衛生コンサルタント会 副会長
・次世代ヘルスケア産業協議会 健康投資WG主査
・健康経営度調査基準検討委員会 座長
・健康経営優良法人認定委員会 座長

森 晃爾(もり こうじ)

2018.12.10
メールマガジンコラム

vol.5第1回(全3回)健康経営に取り組む意義 ~現代の経営における従業員の健康の 価値を認識してほしい~

vol.5第1回(全3回)健康経営に取り組む意義 ~現代の経営における従業員の健康の 価値を認識してほしい~

私がお会いする経営者の中には、健康経営に高い価値を置く方とまったく響かない方がいます。両者は何が違うのでしょうか。

P.F.ドラッカーは、同氏の代表的書籍である「プロフェッショナルの条件」の中で、

「今や唯一の意味ある競争力要因は、知識労働の生産性である。その知識労働の生産性を左右するものが知識労働者である。

雇用主たる組織の盛衰を決めるものも、一人ひとりの知識労働者である」と述べています。

この知識労働者が、生産性を発揮できるためにはどのような条件が必要でしょうか。

私の友人であるジャン・ドゥーソップは、著書「産業保健マーケティング」の中で、

企業にとっての人という資源を内部資源(才能や適性)と外部資源(資格や人脈)に加え、

根幹資源の3つに分けた上で、内部資源と外部資源がうまく活用できるのは、

その人が健康であることが必要条件となるため、健康を根幹資源として位置づけました。

メンタルヘルス不調が生じれば、いくら豊かな内部資源と外部資源を持っていても、

まったく成果を出せなくなることからしても、根幹資源の重要性は自明です。

このような根幹資源は、当たり前の者として存在するのか、企業として資源管理の

対象とすべきなのか、それこそ健康経営の推進において検討すべき背景となります。

そして、資源管理の対象とすべきであれば、これまで教育・研修の方法で内部資源に

投資を行ってきた企業は、併せて根幹資源への投資を行う必要があり、それが健康投資なのです。

ただ、健康が重要であるということはこれまでも同じであったはずです。

ここに来て健康経営が一つのトレンドとなっていることには、大きな背景があります。

それは、少子高齢化に伴う生産年齢人口の急激な減少です。

今後は雇用期間が延長され、まずは70歳まで雇用することが前提の時代になります。

また、これまでは従業員が病気になっても、すぐに代わりになる人材が豊富にいましたが、

これからはそうはいきません。さらに、変化が極めて激しい時代において、その変化に

耐えうるだけの高い心の健康状態も求められます。そして、従業員の健康にまで配慮して

くれるようなホワイト企業で若い人は働きたいと考えています。そのような時代だからこそ、

従業員の健康への投資は、企業経営にとって重要なのであり、そのことに気付いている経営者は、

健康経営に高い価値を置いているのです。私には、後者の経営者が運営する企業の行く末が心配でなりません。

・産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健経営学研究室 教授
・日本産業衛生学会 副理事長
・日本労働衛生安全衛生コンサルタント会 副会長
・次世代ヘルスケア産業協議会 健康投資WG主査
・健康経営度調査基準検討委員会 座長
・健康経営優良法人認定委員会 座長

森 晃爾(もり こうじ)

2018.10.10
メールマガジンコラム

vol.4第3回(全3回)第3回ホワイト500認証への道のり ~今後の健康経営推進に向けて(2018年~)~

vol.4第3回(全3回)第3回ホワイト500認証への道のり ~今後の健康経営推進に向けて(2018年~)~

株式会社正興電機製作所  取締役/正興ITソリューション株式会社 
代表取締役 有江 勝利氏

ホワイト500と呼ばれている健康経営優良法人(大規模法人部門)は、
経済産業省が優良な健康経営を実践している企業を認定する制度です。
2016年に創設されました。

日本の医療費はここ数年約1兆円ずつ増加しています。

この大きな要因である生活習慣病の予防には我々現役世代の生活習慣改善
が至上命題となっています。

健康社員育成を行う健康経営は医療費の適正化に繋がります。

企業にとっても生産性の向上や不健康損失の低減、さらには社会的評価を
得る等のメリットがあります。

このようなことから、健康経営推進企業を増加させていくことは国の
重要な施策にもなっています。

この健康経営優良法人制度は、経営幹部の本気度や推進体制、健康課題
と対応状況等々約100の項目での対応状況について審査されます。

当社の場合、
社員の健康活動をサポートするクラウドサービス「Health-Ledger」の活用、
歩数競争やアクティブレスト等による具体的な健康経営活動が評価され
認定して頂くことができたと思います。

しかしながらこれら活動はまだまだ満足できるものではありません。

2018年度に注力している活動内容は大きく3つあります。

二次健診やご家族健診の受診率向上、全社員禁煙に向けた運動、そして
各健康活動の参加率を高めていくことです。

その為の施策は健康経営プロジェクトで講じています。

活動への参加率が上がらないのは社員への告知が足りないからではないか?

いや、足りないのは告知ではない!論議が紛糾することも少なくありません。

2018年より本格的に始めた歩数競争は、全社員を5人1チームに編成した
チーム戦です。

これにより社員の活動量が大きく増加したことは前回にご報告した通りですが、

特にチーム内のコミュニケーション向上にも繋がってます。

また工場のある福岡県古賀市の複数の事業者と職場対抗歩数競争も行いました。

2か月間のイベントでしたが地域情報誌にも掲載され大変な盛り上がりでした。

ここでも産業医科大学様に運動前後のデータを収集頂きこれを分析、効果の
確認を行いました。

身体活動量の増加、体脂肪量の減少,除脂肪体重(主に筋肉)は有意に増加、

メンタルヘルスにも良好な効果を及ぼし,抑うつ・落ち込みの改善を認め,
活気・活力を向上させました。

終了後表彰式も行い、同じ地域で働く方々とのコミュニケーションも大いに
盛り上がりました。

今後も歩数競争やアクティブレストを継続し、さらに前述した3つのテーマ
に取り組む中で、健診データや企業活動にどういい影響を及ぼすのか、
有識者や保健師との協働でデータの確認も行っていきます。

継続は力です。
PDCAサイクルを繰返し、社員の健康と企業活動の洗練を継続的に改善
していきます。

2018.8.10
メールマガジンコラム

vol.4第2回(全3回)ホワイト500認証 への道のり~プラチナ大賞受賞、そしてホワイト 500認定(2015年~)~

vol.4第2回(全3回)ホワイト500認証 への道のり~プラチナ大賞受賞、そしてホワイト 500認定(2015年~)~

株式会社正興電機製作所  取締役・正興ITソリューション株式会社 代表取締役

有江 勝利氏

2015年より運用面を充実させていこうと、

健康経営推進のプロジェクトチームを発足させました。

健康文化をどう育んでいくのか、無関心な社員にどう意識付けをしていくのか、

定期的に集まり論議を行いますが、答えは簡単には出ません。

取組みを推進する中で価値を共にする仲間との出会いも生まれました。

その1つが10分ランチフィットネス協会の皆様です。

お昼休みのちょっとした運動が、健康社員育成にどう届いていくのか、

2015年7~12月(6か月間)社員約60名を対象に実証実験を行いました。

運動前後のデータ収集そして分析は産業医科大学様にご協力を仰ぎました。

その結果、身体活動量(歩数)は1日平均6,553 歩→9,345 歩に上昇。

期間後もこれを維持。さらに対人ストレス(5点評価)3,1→2.8へ減少、

職業性ストレス(活気)は3.0→3.4へ増加、といったデータを得ることができました。

体重や腹囲、血圧などへの改善までには至らなかったものの、

①活動時間が増加⇒健康への意識が高まり勤務中の階段使用等習慣改善に繋がったのではないか、

②昼休みの運動は対人関係やメンタルヘルスに良好な効果を及ぼしている、

以上2点確認することができました。

このお昼休みの運動につきましては、2016年には社内インストラクターを育成し、

2018年現在においても継続しています。参加者の固定化や職制での理解等課題もありますが。

2017年に入り全社員にウェアラブル活動量計(fitbit)を配布しました。毎日の運動量

(消費カロリーや歩数等)の見える化です。

そして全社員を5名のチームに分け、チーム戦での歩く競争「歩KING (あるきんぐ) 」も始めました。

この「歩KING」は社員の運動促進に大きく寄与しました。

想定外の副作用もいろいろと出ましたが、現在においても適宜に趣向を変えながらチーム戦

での歩く競争を運用しています。

社員の活動量は「歩KING」開始直後から現在において社員1人当たりの平均歩数も2,540歩上がってます。

運動促進を中心に効果を確認しながら健康経営活動を進める中で、

2016年には「第4回プラチナ大賞 イノベーション賞」を受賞、

2018年2月には「2018健康経営優良法人 ホワイト500」の認定を受けました。

これらに恥じないよう、一層に健康経営活動を深化させていかなければいけません。

2018.6.10
メールマガジンコラム

vol.4第1回(全3回)ホワイト500認証 への道のり~正興電機グループの健康経営立上げに向けて(2013年~)~

vol.4第1回(全3回)ホワイト500認証 への道のり~正興電機グループの健康経営立上げに向けて(2013年~)~

株式会社正興電機製作所  取締役・正興ITソリューション株式会社 代表取締役

有江 勝利氏

正興電機製作所の有江と申します。
当社グループの健康経営推進そしてヘルスケア事業を担当しています。

当社が健康経営に目覚めたのは2013年です。
三菱総研の小宮山理事長が提唱される「プラチナ社会構想」に共感したことから始まりました。

プラチナ社会づくりへの貢献、
つまり「地球環境問題を解決した元気な超高齢社会づくり」に貢献するということで、
当社が掲げているミッションです。

健康経営の実践を通して健康社員を育成し、元気な地域、元気な高齢社会に繋げていく、
この構図を描き実行に入ったのが2013年になります。
有識者(大学の健康疫学研究室)に教えを乞うところから活動に入りました。

現状を知るということで、最初に確認したのは当社社員の健康関連データの状況です。
保健師による、健診データそして健保組合レポートの
2008年→2012年(5年間)の経年変化の整理から始めました。

健診データからは、糖代謝(糖尿病指標)異常なし率88.3%→83.7%(4.6%悪化)、
BMI(肥満指標)23.1→23.5(0.4悪化)等、確実に健康障害へのリスクが高まってきており、
健保組合レポートからも通院回数や医療費も全体でみるとかなり上がっている状況です。

また、職種別にも顕著な特性も現れています。
夜遅い食事になることが多い設計や製造部門の社員は脂質(コレステロール)の有所見率が高いようです。
同様に、デスクワークが多い事務職では血圧が高く、飲酒の多い営業では肝機能や血糖が高いようです。

さらに、年齢別に見ますと健診全体の異常なし率、
20歳代では87.5% これが50歳代11.2%、60歳代2.5%(実に98%弱が異常あり)、
結局こういった傾向で会社卒業後地域に戻り職域健保から地域の国保に移った後、
問題が顕著になり国保の圧迫、医療費高騰に繋がっているわけです。

私達は、各社員自身の健康関連データを見える化しそして気付かせる化し、
生活習慣改善に向かわせるようツールの整備から着手しました。

・健診機関に協力を頂き、健診データの自動取込経年変化の見える化
・社食運営機関に協力頂き(社員カードで決済行う際同時に)摂取カロリーや塩分情報を記録、見える化
・社内に体重計や血圧計を設置し(社員カードかざして)今日の体重今日の血圧を記録、日々の変化の見える化

こういった自身の健康関連データの見える化から整備を行い、(本人同意に基づく)
その後生活習慣改善をサポートする機能、職制で保健(健康を保つ)情報交換や
保健師の非対面指導を行うことができるコミュニティを社内に展開しました。

サポートツールは充実してきましたが健康文化の育成が大変です。
実際にツールを利用して健康活動に取組みだしてくれた社員は1割程度の状況でした。

健康管理プロジェクトを2015年に発足しました。
組合、設計、営業、人事、IT部門からの選抜そして保健師による健康社員育成運用チームです。

2015年より、健康活動をどう盛り上げていくかへの取組みの苦心に入っていきます。

2018.4.10
メールマガジンコラム

vol.3第3回(全3回)「禁煙のすすめ」~加熱式たばこの健康影響~

vol.3第3回(全3回)「禁煙のすすめ」~加熱式たばこの健康影響~

産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 浩、講師 姜 英

加熱式タバコが大手タバコメーカーから販売され、家族から煙たがれている人
やタバコはやめられないが健康障害を少しでも減らしたい、という喫煙者に
爆発的に売れています。
その使用者が増えるにつれ、「あれって、どうなの?」と訊かれる機会が
増えてきました。

皆さんも、コンビニエンスストアの店頭に置いてあるリーフレットを持ち
帰って目を通してみて下さい。
メーカーが喫煙者の心理を上手く突いていることが分かります。

リーフレットの前半には、「室内の空気を汚さない」を強調するために、
家族が居るリビングで使用している写真が使われています。
しかし、これは明らかな虚偽広告です。
筆者のホームページに3種類の加熱式タバコを使用した時の室内空気の
汚染状況を二次元レーザー光線で可視化しています。
ぜひ、この動画を加熱式タバコの使用者に見せてあげて下さい。
リーフレットの後半は、わざわざ棒グラフを使いながら
「有害成分を90%低減」が強調しています。
それらの構造から、3種類の加熱式タバコの有害性について解説します。

2015年から販売が開始され、2018年4月時点で最も使用者が多いのは
フィリップモリス社のiQOS(アイコス)です(2017年3月にバージョン
アップでIQOSに名称変更)。
タバコの葉を粉末にして保湿剤、防腐剤、成形剤等を加えてシート状
に押し固め、約11ミリの幅に切りそろえて巻紙に充填し、その中央に
金属ブレードを挿入して内側から約300℃に加熱します。
ニコチンの沸点は247℃ですから喫煙者が満足する濃度のニコチンが
揮発します。
燃焼する温度(約500℃)以下であるため、確かにタールと一酸化炭素
の発生は抑えられます。
しかし、iQOSを使用する本人が肺に吸引する有害物質を分析した
国立保健医療科学院の研究班の論文により、濃度は低いものの発がん性
のあるアルデヒド類をはじめ、紙巻きタバコから発生する有害物質は
ほぼすべて含まれていることが分かりました
(Bekki K, et al. J UOEH. 39(3), 201-207, 2017)。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコのglo(グロー)は、タバコの葉を
詰めた巻紙の外側から約240℃に加熱する構造が似ているので、
アルデヒド類などの発がん性物質を吸引するのはiQOSと同様です。

日本たばこ産業のPloom TECH(プルームテック)はアルコール系の有機溶剤
を低温(約40℃)で加熱して霧化させた後にタバコの葉の粉末を充填した
カプセルを通過させて吸引するので、基本構造は電子タバコです。
ニコチンの量が少ないため満足感が得られにくいようです。
吸引する有害物質は前2者よりもさらに少ないですが、薄いニコチンを
吸引するので、逆に、有機溶剤を深く吸引することの健康被害が懸念されます。

参照:厚生労働省「加熱式たばこにおける科学的知見」

販売からの期間が短いためその健康影響はほとんど分かっていませんが、
2016年、iQOSを1日40本使用していた男性が呼吸困難となり、レントゲン
で両肺野が

真っ白、気管支肺胞洗浄により急性好酸球性肺炎と診断された
症例が報告されました。
また、2017年、ラットを用いた実験ですが血管内皮の障害が発生する
ことも報告されています。
今後、その有害性は徐々に明らかになることでしょう。

図は紙巻きタバコの喫煙本数を横軸に、縦軸に心疾患のリスクを
グラフ化したものです。
1日の喫煙本数が5本と少なくても20本喫煙する人のリスクと大差が
ないことが分かります。
受動喫煙でさえ心筋梗塞のリスクは1.3倍になるぐらいですから、
喫煙による健康障害は少ない曝露から現れることが分かります。

本来、これらの製品は人体に無害であることが証明されない限り
販売は禁止すべきですが、それが判明するまでの間は、メーカーの
リーフレットに薄い文字で小さく書かれている警告
「有害性成分の量を約90%カット」の表現は、
「本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありません」
「リスクがないというわけではありません」
「タバコ関連の健康リスクを軽減させる一番の方法は紙巻タバコも本製品も両方やめることです」
を示しながら、ニコチン依存症からの脱出の手段として禁煙外来へ行くことを勧めて下さい。

それらの製品を使っている人達は「少しでも健康障害を免れたい」
という気持ちを持っている禁煙予備群ですから!

2018.2.10
メールマガジンコラム

vol.3第2回(全3回)「禁煙のすすめ」~たばこを吸わない方へ~

vol.3第2回(全3回)「禁煙のすすめ」~たばこを吸わない方へ~

産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 浩

産業医科大学は2008年に敷地内禁煙となり、吸いにくい環境になったことで、

男性教職員(病院を除く)の喫煙率は19%→16%→13%→11%と急速に減少

しましたが、10%前後で下げ止まっています(女性教職員の喫煙者は1〜2名

のみなので喫煙率としては算出しておりません)。

若い女性保育士が多く働く保育園、健康に関する電話相談を業務とする会社など

で職員の喫煙率がゼロ、という職場を見聞きしたことはあります。

しかし、一般の会社や企業で「喫煙者ゼロ」はあり得ないと思います。

また、「親戚に喫煙者ゼロ」も珍しいでしょう(大和家の成人50名中に喫煙者

は4名残っています)。

配偶者の様に生活を共にしている人が喫煙する場合には、「禁煙しなさい」

「吸うなら外に行きなさい」とハッキリ言いますが、職場や親戚の喫煙者に

「タバコをやめなさい」「あなたの煙は不愉快です」と話しかけている人は居ません。

だから、禁煙できないのです。

筆者は嘱託産業医として吸わない人達に職場の煙についてインタビューしますし、

研究のために喫煙対策のアンケートも行います。

会話や自由記載のコメントから吸わない人達は以下の様に考えていることが分かりました。

  • 自分は吸わないから関係ない
  • 喫煙室から戻ってきた人達がタバコ臭いので何とかして欲しい
  • 臭いけど、上司なので苦情が言えない
  • 喫煙室から周囲に漏れがあっても分煙されているので苦情が言えない
  • 好きで吸っているのだから、吸えなくするのは可哀想
  • これ以上、吸いにくくしたら本人達のストレスになる

・喫煙者は休憩時間が長くて不公平

・喫煙者が将来病気になっても自業自得

喫煙者はタバコが好きで吸っているわけではないのです。

ニコチン切れのイライラ感(禁断症状・離脱症状)が我慢できなくて吸っているのです。

アルコール依存症の患者さんがコップ酒を呑むと手の震えが止まるのと同じ現象です。

肺で吸収されたニコチンは、数秒後には脳の中のニコチンを感じる細胞を刺激して、

快楽を感じるドーパミンが放出されます(麻薬の注射と同じ現象)。

この時、喫煙者は「ホッとする」「落ち着く」「ストレスが解消される」と感じます。

ここで大事なのは、タバコで解消されるストレスはニコチン切れのストレスだけ、

ということです。仕事のストレス、人間関係のストレスはまったく解消されていません。

ニコチン切れのストレス解消を繰り返しているうちに、同時に入ってくるタールと

一酸化炭素によって全身がボロボロになっていくのです。

そういう人達を見過ごしにすることこそが、可哀想なことです。

あなたの周囲の喫煙者に「致命的な病気になる前にやめなさい」

「自力で無理なら禁煙外来に行きなさい」と声を掛けましょう。

可哀想と思わずに灰皿を捨てましょう。灰皿があるからまた吸いに行くのです。

タバコ臭くなって戻ってきたら「臭い」「またタバコ!いい加減にしなさい」

と繰り返し声を掛けましょう。たとえ嫌がられても。

それが、職場の同僚を守り、そして、かけがえのない親戚を早死にで失わない

ために吸わない人ができることです。

タバコのせいで毎年12万8,900人が死んでいます。その内訳は、がん、心筋梗塞

や脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。さらに、喫煙は糖尿病のリスクでもあります。

これらの病気は、かつて「成人病」と呼ばれていました。

しかし、生活習慣が悪いと若年層でも病気になる、という注意喚起のために

「生活習慣病」と1996年に変更されました。

さらに、2012年、個人の責任だけではなく社会環境も関与することから「非感染性疾患」に

再び変更されました。

タバコに関する日本の社会環境は以下の様に遅れています。

 ①値段が安すぎる(欧米は一箱1000円)

 ②屋内が全面禁煙ではない(職場、レストラン、居酒屋)
 ③パッケージに写真入りの警告がない
 ④新聞や雑誌に銘柄広告が行われている
 ⑤無料の禁煙相談電話のシステムがない

喫煙者が病気になることは自業自得と決めつけるわけにはいきません。

日本は喫煙に関する社会環境が遅れているわけですから、吸わない人達が

職場や家族・親戚に「タバコはやめなさい」という声掛け、灰皿を捨てる

行動をとらねばならないのです。

【参考資料】

 たばこ白書の要点をまとめたリーフレット

https://www.ncc.go.jp/jp/information/update/2017/0421/index.html

 日本呼吸器学会 禁煙のすすめ

  http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=81

 日本呼吸器学会 禁煙推進カード

  http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/kinen-card.pdf

 日本呼吸器学会 タバコについて考えてみませんか?

  http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/1058.pdf

2017.12.8
メールマガジンコラム

vol.3第1回(全3回)「禁煙のすすめ」 ~喫煙者の方へ~

vol.3第1回(全3回)「禁煙のすすめ」 ~喫煙者の方へ~

欧米では一箱1000円以上、職場もレストランもパブも全面禁煙、
パッケージにはグロテスクな写真が印刷され、TVでは「禁煙しよう」
というCMが繰り返し流れていても成人喫煙率は15〜20%から下がらない

事実をみると、タバコほど止めにくいモノはこの世に無いのではないか、と思ってしまいます。
日本でもこの20年間にタバコは1箱250円から440円に上がり、吸える場所も大幅に減り、

自力でやめられる人はどんどん禁煙しました。今の喫煙者は「分かっちゃいるけどやめられない」

人達が残ってしまった状況なのです。

 私の専門はタバコ対策です。ニュース番組や「クローズアップ現代+」、「林先生の初耳学」

などで研究成果について偉そうにコメントしていますが、私もかつて吸っていました。

浪人時代に吸い始め、医学部在学中も、呼吸器内科として働いた6年間も、予防医学の研究室に

移ってからも吸っていました。その間、何百回となく「この1箱を吸い終わったらやめよう」

と思いながら、ニコチン濃度が下がっていく時のイライラ感に負けて次のタバコを買っていました。

どうしても禁煙できず、多くの人と同じようにマイルドセブン→同ライト→同スーパーライトと

軽いタバコにシフトするコースも辿りました。また、タバコを吸うと原稿がはかどる、

ストレス解消になる、会話の間が持てる、コミュニケーションに役立つという勘違いもしていました。

今、思うとすべてニコチン中毒の症状でした。

 そんな私が1996年、36歳で禁煙できた理由は、
1. 医学生の頃に勉強した、心筋梗塞や膀胱がんのリスクであること、

 喫煙指数(1日のタバコの本数×吸った年数)が400を超えると肺がんのリスクが急に高くなる、

 という基礎知識があったことです。
2. 呼吸器内科の病棟で肺の生活習慣病といわれ、肺がスカスカになる慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 の患者さんを看取ったことです。

 皆さんも、街中で鼻からチューブで酸素を吸っている人を見たことがあると思います。

 肺の構造が壊れて酸素を取り込む能力が低下すると布団の上げ下ろしも、階段昇降もできなくなり、

 寝るときにも酸素吸入が必要になります。

 (笑点の歌麿さんが司会を降りたのはこの病気で30分の高座が続かなくなったからです)。
3. 研究室で喫煙できなくなり、タバコを吸いながらパソコンに向かうことができなくなりました。
4. 家内が子どもを妊娠して、換気扇の下はもちろん、庭先での喫煙も「臭い」と嫌がられました。
5. 決定打は、嘱託産業医先で「禁煙の講話をして下さい」と頼まれたことでした。
 それぞれは小さな理由でしたが、積み重ねることでレッドラインを超えたのです。

 喫煙者のみなさん、まず、「自分も禁煙した方が良いのではないか」という理由を手帳に書き出し、

 拡大コピーして家族の目にも触れるトイレやリビングに貼りましょう。

 次は、吸いにくい環境やルールを自ら作ることです。受動喫煙は他者危害です。

 自宅内はもちろん、ベランダや庭先で喫煙すると家族や隣近所の住民の健康障害を引き起こします。

 居酒屋やレストランでは従業員やオーナーがあなたの煙を吸わされます。

 喫煙室の清掃業者が作業しているときに喫煙したことはありませんか?

 自分が吐き出した煙が他人の肺の中の中に入っていくことを意識して下さい。

 すると、自然と吸う場所がなくなり、禁煙する気持ちが高まります。

 私が禁煙した頃は禁煙補助剤がなかったため古典的な方法(氷を口に含む、コーヒーを紅茶に、

 歯磨き、洗面、秒針を見つめる、など)で禁断症状を乗り超えました。

 禁煙後の最初の3日間のつらさは今でも思い出すほどです。

 しかし、今は禁煙補助剤があるので苦しまずに禁煙できるようになりました。

 ニコチンガム(1粒70〜100円)とニコチンパッチ(小・中サイズ:1枚300〜400円)は

 処方箋が不要になり薬局・薬店で購入できます。

「禁煙外来」で検索すれば医療保険を使って治療が受けられるクリニックの一覧表がでてきます。

 ニコチン依存度が高い人は禁煙外来を受診しましょう。

 ニコチンパッチの大サイズ、もしくは、脳の中のニコチンを感じる細胞をブロックする内服薬を使い、

 3か月間で5回の通院による禁煙成功率は約6〜8割です。

 2017年7月、スマホやパソコンで診察を受け、治療薬は宅配で自宅や職場に届く遠隔診療で禁煙治療

 が受けられるようになりました。

 忙しくて禁煙外来に行く時間がない人は「遠隔診療、禁煙外来」で検索して下さい。

 致命的な病気やCOPDになる前にタバコをやめることを考えましょう。

■参考情報

禁煙治療のための標準手順書(第6版)
禁煙情報「すぐ禁煙」 

禁煙サポートサイト「いい禁煙」

禁煙外来 ファイザー製薬
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産業医科大学 産業生態科学研究所 教授 大和 浩氏

2017.8.8
メールマガジンコラム

vol.2第3回(全3回)健康づくりとエビデンス(第3回:『福岡100』始動!)

vol.2第3回(全3回)健康づくりとエビデンス(第3回:『福岡100』始動!)

女性 87.14歳,男性 80.98歳。
先月,国から発表された2016年の日本人の平均寿命です。

日本人の平均寿命は戦後ほぼ一貫して伸び続け,
男女ともこの70年ほどで30歳以上伸び,
「人生90年時代」は目前です。
このような中,医療技術の進歩などによって,
100歳を迎えることが特別ではなくなる時代も,
そう遠くないかもしれません。

『福岡100』。
これは,人生100年時代を見据えて,
一人ひとりが心身ともに健康で,
自分らしく生きていける持続可能な社会システムを,
行政だけでなく,企業,大学,そして市民の皆さんと
一緒につくっていこうという福岡市の挑戦です。
“オール福岡”で一丸となって
2025年までに100のアクションを実践していきます。

私たちは世界でもトップレベルの長寿を手に入れました。
せっかく手にした長い人生,
喜び楽しむためにも,1日でも長く健康で過ごしたいものです。

下表は,2010年における福岡市の平均寿命と健康寿命に関する
国の研究結果です。
福岡市の平均寿命と健康寿命の差は,
男女とも全国平均(男性:9.13年,女性:12.68年)よりも長く,
また,健康寿命は20大都市中,
男性は9位,女性はワースト2の19位という結果でした。

福岡市にとっての今後一番の課題は,
健康寿命を延ばし,平均寿命と健康寿命とのギャップを減らしていくことなのです。

■福岡市の平均寿命と健康寿命(2010年)
————————————————
    平均寿命(a)   健康寿命(b)   差(a-b)
————————————————
 男性  79.84歳    70.38歳    9.46年
————————————————
 女性  86.71歳    71.93歳   14.78年
————————————————

『福岡100』の挑戦の一つとして,「福岡ヘルス・ラボ」を9月に立ち上げます。
このラボでは,市民の健康づくりや介護予防に役立つ新たな商品やサービスについて,
その企画の磨き上げや実用化の検証段階で,
市民の皆さんのニーズや課題,アイデアを直接出し合ってもらい,
企業の新たな商品やサービスの開発に反映していきます。
また,創り出されたサービスが
市民の皆さんの健康寿命の延伸にどの程度つながったかを科学的に評価し,
エビデンスとして蓄積できる仕組みをつくっていくことを目指します。

福岡ヘルス・ラボに参加して,
「新しい商品やサービスを創る楽しみ」と
「健康寿命が延びる喜び」を感じてみませんか。

ぜひたくさんの方のご参加をお待ちしています。
【参考】『福岡100』ホームページはこちら

福岡市保健福祉局 政策推進部長 中村 卓也

2017.6.8
メールマガジンコラム

vol.2第2回(全3回)健康づくりとエビデンス( 第2回:「歩く」は,カラダだけでなくお財布にも やさしい)

vol.2第2回(全3回)健康づくりとエビデンス( 第2回:「歩く」は,カラダだけでなくお財布にも やさしい)

皆さんは,1日にどれくらい歩いていますか。

今回は,健康づくりと言えば,すぐに思い浮かべる運動「歩く(ウォーキング)」
をテーマに,東北大学の辻一郎教授の調査研究をご紹介します。

この調査・研究は,宮城県のとある保健所が管轄する地域の40歳から79歳までの

国民健康保険加入者全員を対象に,1日に歩いている時間に関する回答と
1か月あたりの医療費の関連を,9年間にわたっ調査・研究したものです。
(※ 病気や障がいを理由に「30分以下」と回答した人などは,調査対象から除く。)

結果は,表のとおりです。

■1日の歩行時間と1か月あたりの医療費
———————————————————————–
             1 日 の 歩 行 時 間
     ———————————————————
        1時間以上 30分~1時間  30分以下
———————————————————————–
1か月  男性 25,230円  29,026円   30,177円
あたりの ————————————————————
医療費  女性 18,889円   20,476円   21,693円
———————————————————————–

この結果を年間の医療費に換算すると,1日あたり「1時間以上」歩く人は「30分以下」しか
歩かない人に比べ,男性では約6万円/年,女性では約3万4千円/年の差となります。

どうやら「歩く」は,“カラダ”だけでなく“お財布”にもやさしいようです。

とは言いながらも“歩く(ウォーキング)”を日課にすることが難しい方は,例えば,

通勤・通学時にバス停1つ分歩いてみるとか,上下3階までの移動は階段を使う
など,日ごろの行動をちょっと変えてみませんか?
健康づくりだけでなく,自由に使えるお金も増える,一石二鳥の自己投資と考えて          

みるのもいいかもしれません。

福岡市は,「歩きたくなるまちづくり」として,市内の各地域ごとのウォーキング          

マップをつくっています。
興味のある方は,ぜひ一度サイトを見てみてください。
「自然に」「楽しみながら」歩けるコースが,皆さんの身近なところに見つかるかもしれません。

■福岡市ウォーキングマップはこちら

なお,JAGES(日本老年学的評価研究)プロジェクトによる高齢者を対象とする調査では,     

「『憩いのサロン』」参加で認知症リスク3割減」「運動を家族や友人と『一緒に』行って      

いる人は,不健康と感じている人が少ない」といった研究報告が最近発表されています。

歩く先にある「人との出会いやかかわり合い」が,90年という長い人生で見たときに,        

健康に良い効果をもたらしているようです。

福岡市保健福祉局 政策推進部長 中村 卓也氏

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