何かを始めない、あるいは、途中でやめてしまう理由として、最も多いのが、「時間がない」という言い訳です。物理学の天才アインシュタイン博士もビックリの、非科学的な理由をおっしゃる方がよくいますね。
時間はあります!(キリッ!)
ただし、時間のとらえ方が下手だと、「あたかも時間がないように感じる」というのがよくあるパターンですね。
農耕社会では「1週間=7日間」で考えていました。お天道様(= 日)が上り、沈むまでが労働時間でしたから、太陽の動きで時間を考えるのはきわめて合理的だったのです。
しかし、文明が発展し、工業社会、情報社会になると、「日」という単位では大雑把すぎる状況が生まれました。みなさん「1週間 = 168時間」であること、意識されていらっしゃいるでしょう?
たとえばフルタイムで働いている方の労働時間は、労働基準法上は40時間です。もっと長時間働いている方も多いでしょうが、少なくとも建前上は40時間です。
睡眠時間は、個人差が大きいですね。中には大谷翔平選手のように、ロングスリーパーもいれば、ナポレオン顔負けのショートスリーパーもいるでしょう。ただ、国際比較をすると、日本人と韓国人の睡眠時間が、世界で最も短いようです。
大人の平均よりも長めに見積もって1日8時間睡眠をとるとすると週に56時間、眠っている計算になります。
そうすると1週間168時間から、40時間の労働時間と56時間の睡眠時間を除いても、残り72時間の可処分時間が生まれる計算です。もちろん、家事、子育て、介護、通勤などに時間を要する場合もあるでしょう。ただ、1週間を7日間で考えていたときと比べると、時間の余裕が感じられるのではないでしょうか?
どんなに忙しい人でも「スキマ時間」というものがあります。電車の待ち時間かも知れないし、電車に乗っている時間かも知れません。カカトを上げ下げする運動、バッグを使ったミニ筋トレくらいはできそうです。歩いている時に、これまでよりも背筋を伸ばし、歩幅を広げるだけでも、運動効果は高まります。ランチタイムに10分の時間は、とろうと思えばとれる、方もいらっしゃるのではないかしら?もちろん、仕事帰りに、ジムに行く余裕が作れれば、メニューの幅は一気に広がります。
さらに目盛りを細かくすると、「1週間 = 10080分」なのです。ここまで細かく見る必要はありませんが、日頃から「時間がない」が口癖になっている方は、こういった視点からご自身の時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか?
ぜひ、時間を味方につけて、身体にいいこと、始めてみてください。
本間正人氏 プロフィール 「教育学」を超える「学習学」の提唱者。NHK教育テレビでビジネス英語の講師などを歴任し、「研修講師塾」「調和塾」を主宰。誰もが最新学習歴を更新し続ける「学習する地球社会のビジョン」構築を目指す。現在、京都芸術大学客員教授、らーのろじー(株)代表取締役、NPO学習学協会代表理事、一般社団法人クロスオーバーキャリア代表理事、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、NPOハロードリーム実行委員会理事などをつとめる。東京大学文学部社会学科卒、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。コーチングやほめ言葉、英語学習法、などの著書80冊。最新刊は「100年学習時代」(BOW BOOKS)