第3回:ウェルビーイングと健康・運動
第1回目にウェルビーイングの要素として、身体的、精神的、社会的の3つをご紹介しました。
身体的ウェルビーイングの為には、運動が大切だと述べましたが、運動は身体的だけでなく、精神的ウェルビーイングにも効いてくることが分かっています。さらに、友人と運動をしたり、職場のメンバーで運動することは社会的ウェルビーイングにも効いてきますから、運動は包括的にウェルビーイングを高める取り組みと言えるでしょう。
運動と幸せの関係性について、これまで数多くの研究が行われてきました。それらの研究結果から、運動をすることで幸せになれることが明らかになっています。興味深いことに、運動と幸福度の関係は双方向的であり、運動をすると幸せになるだけでなく、幸せだと運動をするようになるのです。つまり、幸せと運動のどちらから始めてもよいということですね。是非、幸せと運動、取り組みやすいことから始めてみてください。
また、運動の効果は年齢に関係なく得られることもわかっています。若年層でも、中年層でも、高齢層でも、運動は幸せにつながるのです。年齢は関係ありません。
さらに、運動の強度についても、低強度でも中程度でも、高強度でも有効であるという報告があります。つまり、ちょっとした運動でも十分に幸せを感じられるということです。
では、具体的にはどのような運動が良いのでしょうか。オススメは以下の4つです。
①誰かと一緒に運動する
②太陽の光を浴びながら運動する
③リズミカルな運動をする
④身体感覚を優位にする運動をする
友人や家族、職場の仲間達と一緒に運動することで、コミュニケーションが深まり、絆が深まります。太陽の光を浴びることで、ビタミンDの合成が促進され、幸せホルモンであるセロトニンの調整に繋がります。リズミカルに体を動かすことで、ストレス解消になりますし、こちらもまたセロトニンを増やす効果が報告されています。他にも、ヨガやストレッチなど、身体の感覚を意識する運動は、特に頭中心の現代生活を送っている方にとって心身のリラックスにつながります。
もちろん運動するだけでも、幸せに効いてきますが、可能であれば上記の4点も意識してみて下さい。
運動は、私たちの心と体の健康を支える大切な要素です。幸せになるためにも、健康であるためにも、今日から運動を始めてみませんか。
太田雄介氏
株式会社はぴテックCEO 兼 CHO(ハピネス)
慶應義塾大学 システムデザイン・マネジメント研究所 研究員
一般社団法人ウェルビーイングデザイン 理事