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vol.1 第2回(全3回)
健康経営の今後の流れ( 第2回:企業の関心が高まる「健康経営銘柄」)

第2回:企業の関心が高まる「健康経営銘柄」

2015年から始まった「健康経営銘柄」の選定ですが、その方法は、東証上場会社3605社に対し、アンケートにより「従業員の健康に関する取組についての調査」を実施し、
1.経営理念・方針、
2.組織体制、
3.制度・施策実行、
4.評価・改善、
5.法令順守・リスクマネジメント
の、5つのフレームワークごとに評価したあと、総合順位が上位20%となった企業が選定されるという流れです。

各業種から1社のみの選定で、基準を満たさない業種は選定されず、初年度は33業種中22業種22社が選定されました。しかし、初年度、調査に回答した企業は493社(13.7%)と少なく、当初の注目度は決して高いものではありませんでした。ところが、選定結果が公表されると、テレビや雑誌などのメディアに取り上げられ、大きな話題となりました。選定された企業にとっては、投資家へのアピールになり、社員も健康への関心が高まるなど、社内外から好意的な反響が寄せられました。また、リクルート市場の学生にとっては、選定企業=ホワイト企業という判断となり、採用活動においてとてもよい反応があったことが知られると、選定から漏れた企業だけでなく、調査に参加しなかった企業からも高い関心が寄せられるようになりました。2年目の2016年には、新規回答した企業が231社と増加しましたが、回答企業総数は573社(15.9%)と、それほどの増加はありませんでした。これは1年目に選定に漏れた企業が、選定基準が厳しく、短期間で高い評価を得られるまでには至らないと判断し、調査に参加しなかったからだと考えられます。

結果、2016年は3業種増え、25業種25社が選定されました。3年目の2017年の調査は、今年10月に終了していますが、業種によっては、選定を狙いに行くと宣言している企業も出てきており、前述したように、リクルート市場での学生の高評価や、選定企業の株価が安定しているなど、選定の影響が多岐に亘っていることを重く考える企業が増えてきているようです。

アサヒビール㈱博多工場  保健師 住德 松子