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vol.11 第2回(全3回)
在宅勤務で気を付けたい働き方 ~その2~

 

在宅勤務をする人の多くは、もともとオフィスワーク、デスクワークをしている人ですので、ここではデスクワーカーの在宅勤務を中心に紹介します。

普段、何気なく働いているオフィスですが、オフィスでも安全や健康に関する管理がなされていることをご存知でしょうか?安全と聞くと、危険作業がある現場や、工場などを想像する方が多いと思います。実は、普段働いているオフィスでは、安全や健康の管理として、様々な項目がチェックされています。これらは、法律や規則に基づいてチェックされ、安全衛生委員会などで日常的に報告、必要に応じて対応されています。

例えば、温度環境や照度はその代表的な指標です。また、新型コロナウイルスの流行で着目された換気の指標である二酸化炭素濃度も、従来から環境測定で測定されています。このような環境要因だけでなく、皆さまのデスク周りについても、安全担当者は目を見張らせています。机上に作業に十分な広いスペースが確保されているか、パソコンモニターと視線の位置関係は適切か、作業に適切な椅子を使用しているか、机下に足がゆとりをもって伸ばせるスペースがあるか(足下に物を置いていないか)、などです。これらは、肩こり、腰痛、ドライアイといった健康問題を予防するだけでなく、作業の生産性や効率にも影響を与えます。

さて、在宅勤務を経験した人の中で、自分が在宅勤務をしている際の作業環境を考えてみてください。

  • 温度や湿度はどうでしょうか?(一人で日中いるだけなので、エアコン代を節約するため使用しないという声を耳にします)

  • 作業机はどうですか?(座卓、コタツで作業されていませんか?)

  • パソコン画面の大きさはどうでしょうか?オフィスの時と比べて、小さな画面のノートパソコンを使用していませんか?

  • パソコン画面の一や角度は、適切に調整できますか?

  • 足元に十分な広さがありますか?

 実は、従来からオフィスで推奨されてきた上記のような作業するための環境は、在宅勤務の際に、生産性に影響することが報告されています。また生産性だけでなく、腰痛や背部痛の発生とも関連することが示されています。

 在宅勤務では、ついつい、「ながら仕事」になりがちですが、できるだけ普段のオフィスに似た環境でお仕事をするようにしましょう。

Okawara, M., et al. Association Between the Physical Work Environment and Work Functioning Impairment While Working From Home Under the COVID-19 Pandemic in Japanese Workers. Journal of Occupational and Environmental Medicine (2021)

 

Matsugaki, R.et al. Association between telecommuting environment and low back pain among Japanese telecommuting workers: A cross-sectional study. Journal of Occupational and Environmental Medicine (2021)


産業医科大学 産業生態科学研究所 環境疫学研究室 教授

藤野 善久